ルルドについて



     
  フランスのルルド洞窟





   ルルドについて

 1858年2月11日、南フランス、ピレーネ山脈の麓にあるルルド郊外のマッサビエルの洞窟に、ベルナデッタ・スビールという14歳の病弱で貧しい無学な少女に聖母マリアが出現されました。彼女が妹と近所の友達と3人で薪拾いに行ったときのことです。洞窟の奥から右の手首にロザリオをかけた貴婦人がベルナデッタに美しい微笑を投げかけられました。ベルナデッタがポケットからロザリオを出し、一生懸命ロザリオをつまぐって祈りを唱えると、貴婦人もロザリオをつまぐりました。この貴婦人の出現は18回にわたって行われましたが、
 ご出現の中で貴婦人は、「罪人のために祈りなさい」「痛悔しなさい」「司祭たちに、ここに教会を建てるように言いなさい」
「私は人々に、巡礼としてここに来て欲しいのです」とおっしゃいました。そして、18回目の出現のとき貴婦人は、「私は原罪なく宿った者です」とご自分を明かされました。

 現在、ここには4つの教会と病院が建ち、世界中から人々が巡礼に訪れ、熱心な祈りを捧げています。ルルドがこれほど多くの人を惹きつけるようになったのは、聖母出現の証しとも言うべき、霊水の泉が湧き出したからです。水という媒体を通して難病の奇跡的治癒の恵みとなったからです。

 洞窟と聖堂と広場にどんなに多くの人影があっても、ルルドにはいつも静寂が保たれています。ここは『祈りの場』です。世界各地からルルドに集まってくる病人たちは、たとえ病気が治らなくても、ルルドの地に来られただけで感謝しています。肉体的苦しみや悩みを抱えた人たちがルルドに行くときは、その苦しみから解放されることを願いながら肉体的癒しを求めて訪れますが、彼らがそこに滞在しているうちに心の変化が起こり、帰る時には病気や悩みが癒されなくても霊的に癒され、すがすがしい気持ちで、ただただ感謝の心に満たされて帰っていくのです。実にルルドの水は、ヨハネ福音書にあるイエスの言葉のように「人を生かす命の水」なのです。


●聖ヨハネ・パウロ二世教皇により、1993年から2月11日は、「世界病者の日」と定めれらました。病者がふさわしい援助を受けられるように、また苦しんでいる人が自らの苦しみの意味を受け止めていくための必要な助けを得られるように・・・と。